時計修理技師8名がアンケート「ワインダー(自動巻上げ機)を使用しますか?」に協力してくれましたので結果報告します。
結果: 【8名全員】ワインダー(自動巻上げ機)は使用しない。
となりました。ま、結果は想定通りでしたが理由やワインダーを使用したほうが良い場合はないかなどを伺いましたので今後の参考になればと思います。
理由: 【8名全員】全員が摩耗するから。毎日使用しているのと変わらないから。
摩耗するから。と毎日使用は同じ意味ですね。これも時計修理技師8名全員が同じ理由でした。
つまり、時計修理技師はワインダー(自動巻上げ機)に時計を入れると、毎日時計を装着していることと同じように内部摩耗が進むことを嫌って、ワインダーは使用していない。との結果になりました。
時計修理技師は、時計を使わない時、ワインダーに入れずそのまま休めています。確かに摩耗を減らすために時計のオーバーホールをするわけですし、摩耗の観点からワインダーは使用しないようです。
使用しても良いケースは?
次に全く必要ないかと伺うと、以下の限定的なケースは使用しても良いと思う。とのことでした。
- たまに使用するのはいいと思う。
- 永久カレンダーの時計。カレンダー合わせが大変だから。
- 自動巻ではないがオートクォーツ。止まった状態から巻き上げるのがとても大変だから。
確かに永久カレンダーのカレンダー合わせは大変ですし、オートクォーツが一旦止まってしまったら、巻き上げが大変なのでそういった時計は、ワインダーがあるととても便利ですね。
時計修理工房が使う業務用ワインダー
時計の巻き上げには向きがあるので、その向きに合わせる必要がありますが修理工房ではいろんな時計を扱うので全てをカバーできるように360度対応のもので、かつ4時間でほぼ全ての時計が全巻きの状態になる効率が高いワインダーが使用されています。
自動巻の使い方のワンポイント アドバイス
自動巻の時計はその名称から、全て全自動でやってくれそうですが、実はそうではありません。
自動巻はゼンマイ巻き上げの補助的な役割ですから、使用前に20,30回ほど手巻きするのがベストです。