腕時計の用語・基礎知識・豆知識

このコラムでは腕時計の用語・基礎知識・豆知識をまとめてみました。

腕時計の歴史

現在では多くの社会人がスマートフォンを持ち歩いていますが、それでもファッションとして魅力が大いにあるため、たくさんの人が身に着けている腕時計ですが、歴史は意外に浅く、1879年にドイツ人のヴィルヘルム1世が作ったものがはじめだと言われています。
これは当時は懐中時計が主な小型時計だったのですが、軍隊では機敏性がとても重要なことから、わざわざ懐中時計を胸ポケットから出し入れする行為が煩わしく、時間が掛かるということから、腕時計が発明されました。

腕時計の竜頭とは、その役割

竜頭(りゅうず)とは、腕時計に付いている円柱形の突起部分のこと。
腕時計に詳しい方は、これを”クラウン”と呼ぶこともあります。
竜頭の機能には、「長短針を回転させる」「秒針をストップさせる」「カレンダーの日付を合わせる」などがあります。
2段階引き出すことで時間を設定でき、1段階引き出すことで日付を設定できます。
高級時計やブランドもののアンティーク時計では、修理の際に竜頭1つで1万円を超えることもあるため、普段から丁寧に扱っておきましょう。

腕時計の防水について

腕時計の購入時、生活防水という表記を見かけることがあるかと思います。
これは大体3気圧程度まで耐えうる防水のことを意味します。
洗顔や雨天行動などはその範囲内となりますが、長時間の入浴などでの使用は避けた方がいいでしょう。
生活防水仕様の腕時計は、水仕事や潜水時の使用目的としては、設計されておりません。
あくまで短時間での水の付着に耐えうることを目的としております。
水仕事で腕時計を使用する場合には10気圧以上に耐えられるものを選ぶといいでしょう。

自動巻き腕時計とは

腕時計の中でも人気が高いのが自動巻き腕時計です。
自動的にゼンマイが巻き上がるというイメージを持つ人もいますが、腕を振る事によってゼンマイが巻き上がる仕組みとなっており、身につけないでおくと、自然に止まってしまう事になります。
ですので、止まらないようにする為には身につけ続ける事が重要になってきます。
ただ、電池が必要ないため、身につけ続けていれば電池切れが原因で途中で止まってしまうという心配がありません。

手巻き腕時計とは

腕時計は大きく分けるとクォーツ式と機械式に分かれ、機械式の中でも自動巻きと手巻きに分かれます。
この手巻き腕時計とはリューズを自分で巻き上げないと時計が動かないと言うもので、時計好きの中にはこの手巻き腕時計ばかりを集めると言う人もいます。
内部の構造が他のものと比べて部品が少ないので摩耗が少なく耐久性がありメンテナンスの費用も低く済みますし、構造がシンプルなので時計自体の厚みが抑えられているのが特徴で、手で巻き上げると時計が動き出す感覚を魅力的だと言う人も少なくありません。

機械式腕時計とは

機械式腕時計とは、ゼンマイで動くタイプの腕時計です。
現在は電池で動く腕時計が主流になっていますが、以前はゼンマイで動く腕時計が主流でした。
ゼンマイで動く腕時計には、手でゼンマイを巻き上げる手巻き腕時計と、身につけ腕を振る事で自動的にゼンマイを巻き上げていく自動巻腕時計があります。
手巻き腕時計と自動巻腕時計の総称が機械式腕時計となります。
これらの腕時計は電池を必要としないため、手入れをしていれば急に止まる心配がないというメリットがあります。

クォーツ腕時計とは

時間をはかる便利なものとして、腕時計がありますが、一般的に腕時計と聞いて思い浮かべるのはクォーツ腕時計ではないでしょうか。
クォーツ腕時計とは、1970年代に登場した電池式の腕時計です。
水晶に電気を流すと一定の振動を起こすと言う性質を活かし、秒針を作動させております。
誤差が少ないため、それまでの主流だった自動巻き腕時計をしのぎ、世界中に広まりました。
また、この技術を開発したのは日本企業のSEIKOで、特許も取得しております。
安価で丈夫なため、現在ではほとんどの人に普及しております。
数千円で手に入るものもあるので、ファッションに合わせてたくさん持つのも楽しみの1つです。

電子腕時計とは

電子腕時計とは、広義にはゼンマイ式の腕時計とは違って、電池稼働する腕時計を言います。
狭義にはクォーツ時計から液晶時計もあります。
最近は各メーカーがスマートフォンの機能を搭載した腕時計型の時計もこれに含まれます。
スケジュール管理からメール受信はもとより、携帯プレーヤーのように音楽を聴くことも可能です。
さらに、時計を装着することによって血圧等を測ることができる健康器具としての役割も果たしています。
腕時計が時計の機能のみを有する時代は終わりつつあります。

発電クォーツとは

発電クォーツとは、何らかのエネルギーを電気に変換して蓄積することで、電池交換を不要としたクォーツ腕時計のことです。
近年の主流は、文字盤に光を受けることで、光エネルギーを電気に変えて動くソーラー式の腕時計です。
特徴としては、基本的に電池交換が冬であることと、クォーツ腕時計と同等の精度があることです。
注意点としては、搭載されている蓄電池の性能の劣化に伴い、長年の使用で電池の持ちが短くなる場合があることです。

光発電クォーツとは

光発電クォーツとは、文字盤に光を受ける事によって、その光をエネルギーに変えて充電し、充電した電気で機械を動かしていく事が出来る時計です。
光を受ける事が出来る状態で使っていれば、電池交換をしなくても使い続ける事が出来ます。
腕時計の内部を見ると、電池が入っているため、電池の交換が必要あるのではないかと考える人もいますが、この電池は充電用の電池になります。
この光発電クォーツは、ソーラーウォッチやエコドライブという名前でも呼ばれています。

電波腕時計とは

電波腕時計とは、時計の時間を自動で標準時間に合わせる機能がある腕時計です。
世界には、ドイツ・中国・米国・英国・日本の5箇所に”標準電波送信所”という、標準時間のデータとなる標準電波を発信している送信所があります。
電波時計は、内部のアンテナでその標準電波を受信し、電波が届くところにある時には自動的に標準時間を示してくれます。
しかし、電波時計にも弱点があり、標準電波が届きにくいところにある時には、正しい時間を示さない場合があるという事です。

腕時計のベゼルとは

腕時計のパーツの中にはベゼルと呼ばれているものがあります。
ガラスで作られている風防の外周に設定されているリング状のものが該当していて、数字などが刻み込まれていることが一般的です。
有名なものではダイバーウォッチに利用されているものがあり、回転式ベゼルとして用いることになり、例えば酸素ボンベの残量などを計測する際にも役立つ機能です。
パイロットウォッチなどでも活用されていて、飛行時間や平均速度など数々の計測を行うために使える機能です。
普通の腕時計の場合では、針の表示に対して24時間の区別を行うことができるタイプも普及しております。

ダイバーズウォッチとは

ダイバーズウォッチとは、最低でも200m以上の防水性能を持ち、また潜水時間を確認するために逆回転防止ベゼル等が付いている防水腕時計を指します。
200m防水の活躍フィールドは、浅瀬やプール、サーフィンやジェットスキーなどの水面活動が主です。
300m防水の活躍フィールドは、スキューバダイビングや素潜りのような水中となります。
500m防水はプロ仕様といってもよく、その活躍フィールドは飽和潜水や職業潜水などがあります。

クロノグラフとは

クロノグラフとは、ストップウォッチの機能を備えた腕時計、もしくは懐中時計です。
この技術が発明されたのは1821年で、1822年には5年間の特許権を得る事になりました。
ただ、この時点での発明は文字盤にインクを垂らして時間を読み取るもので、腕時計に搭載されるようになったのは1915年頃になります。
そしてその後、この機能は更に進化し、リセット機能や自動巻き機能が加わり、現在のクロノグラフへと進化していきました。

腕時計のタイプ”GMT”とは

腕時計にはモデルによって特殊な機能が備わっているものがありますが、その中にはGMTと呼ばれる機能を持った腕時計があります。
GMTは世界の標準時間を意味していることになりますが、腕時計の場合では一般的には任意の2ヶ国間の時間表示を行うために使うことができる機能です。
専用のGMT針が文字盤に設定されていることになり、任意の国の時間表示を知るにはベゼル部分に刻まれている数字を見て把握する方法です。
ビジネスマンなど海外出張などを行う際に便利に機能する仕組みです。

オーバーホールとは

腕時計などのオーバーホールは、分解・掃除し、点検やメンテナンスを行う作業を意味します。
機械式やクォーツなどの腕時計は、長く使用することにより、部品の摩耗や潤滑油の劣化が起こります。
オーバーホールを施すことで、故障などのアクシデントを事前に予防することができ、コンディションを良い状態に保つことができます。
これにより、大切な腕時計の使用年数を延ばすことにも繋がるので、定期的なオーバーホールをオススメします。

腕時計の多軸カレンダーとは

腕時計の中には、多軸カレンダーと言われる物が有ります。
これは文字盤の上に日付、曜日が別の文字盤になっているものです。
一見クロノグラフのように見える配置ですが、文字盤の数字が31までしかなかったり、曜日が英語表示で有ることで判別できます。
一般的な腕時計のカレンダーは小窓で表示されるタイプが主流で、時計の長針や短針の軸とおなじ回転軸で動くのに対し、多軸カレンダーはそれぞれが別な軸で動く形になっているため、このように呼ばれております。

パーペチュアルとは

パーペチュアルとは、腕を振る時に自動的にゼンマイを巻き上げていく、自動巻機構を指します。
この自動巻機構はメーカーに寄って呼び名が変わり、永久カレンダーと呼ばれる事もあります。
自動巻機構を機能させる為には、身につけた状態で腕を振るという事が重要になってきます。
身に着けていない、身に着けていても腕を振る動きを殆どしない場合、ゼンマイが巻き上がらないため、ゼンマイの動きが止まると時計は止まってしまう事になります。

0位置合わせとは

腕時計関連の言葉として、0位置合わせという方法が用いられております。
0位置合わせは一般的にはクロノグラフの機能が備わっている腕時計に対して用いられている方法です。
クロノグラフの場合ではストップウォッチ機能が付いていることになり、文字盤には専用のメーターが用意されています。
このメーターの針がずれてしまうことで0位置合わせを行うことになりますが、その方法については各腕時計のモデルによって違いがあります。
通常では専用の竜頭を長押しする方法で元の位置に戻すことができます。

カレンダー操作禁止時間とは

アナログの腕時計すべてではありませんが、文字盤の一部にカレンダーの数字などがあらわれる窓が開けられているものがあります。
そして、その窓にあらわれるカレンダーは、1ヶ月が30日だったり、31日だったり、また2月は28日の場合と29日の場合があるので、時々操作して合わせなければなりません。
ところが、カレンダー版は時計の内部でギアの役目もしているので、カレンダー操作禁止時間である午後9時から午前3時の間には、歯車として噛み合っているという構造上の問題から、竜頭で操作してはいけないことになっています。

インデックスとは

インデックスとは言葉自体の意味は簡単で針がある時計の文字盤の時間を表す目盛りや数字、マークのことを指します。
この呼び方はマニア向けでもあり文字盤の数字とは呼ばず、インデックスと呼びます。
簡単に伝えることもできるとともに恰好をつける意味もあります。
ただ、専門業者や時計が好きな人などみんな共通でいうわけではなくそういう呼び方もあるといった認識のほうがいいと思います。
なので文字盤の数字でもインデックスどちらも意味が通じるということになります。